【特別インタビュー企画】
全国的な展開とそれを受け入れる環境が必要。次世代リーダー育成も急務!

公益財団法人モラロジー研究所生涯学習講師/北林日登美さん

2018年4月、横浜モラロジー事務所ウェブページで子育てお悩みQ&Aコーナー『教えてひとみさん』を開始し人気コーナーへ。同コーナーを担当される北林日登美さんは公益財団法人モラロジー研究所生涯学習講師であり一男一女の母親。そして平成14年から現在まで17年間に渡り、子育てサークル「マザーグース」、「ティファニー」を運営されています。

この度、北林さんに子育てサークル運営に際してのお考えや課題についてお聞きしました。サークル運営を担う女性の立場から今後、考えていかねばならない、次世代に継承すべきこととは何なのでしょうか。

—–子育てサークル「マザーグース」を運営してきてよかったと思えることは何ですか?

北林:子育てに疲れたお母さんたちのひとときの癒しや安心して愚痴を言える場、そして、そこから新たな気づきや学びを提供できたことです。

そしてメンバーたちの成長を見て来られたことに幸せを感じます。最初は自分のことだけで精一杯だったのに今では周りのメンバー達のことを思いやっているのが分かります。そんな彼女達から、私自身も、気づきや感化を沢山得られた事も有難い事でした。

—–なるほど。おしゃべりの場は他にもあると思いますがマザーグースは何が違うのですか。

北林:皆さんママ友やご近所の子ども達つながりの友人などの横並びのコミュニケーションはあり、楽しいおしゃべりはどこでもできます。でも同世代で横並びのおつきあいだけでは不安解消にならず逆にストレスをかかえてしまうことも多くあるようです。私のような(少し年上の)先輩ママとフランクにおつき合いする関係性は一般的には希なケースかもしれません。

「マザーグース」のような子育てサークルに属していれば、交流やイベントを通して、メンター(導き手、助言者)のような存在である子育ての先輩が居て、気軽に何でも相談できる場でありながら、おつきあいを通して、自己啓発や女性の品性向上に関する幅広い情報や知見を学び、親としての成長をしていくことができるのです。

立場や距離を考慮しつつ話しを聞いて解決のお手伝いをすることこそ、子育ての先輩ママでありマザーグースのメンター、カウンセラーでもある私の役割だと思います。そして、子育ては、親の『心』(ハート♥)で育てる事、子どもを通して親自身が学び成長していく事なんだ!と気づいて頂くと、子どもや夫婦、家族とのハッピーな心地よい関係性が生まれていきます。

—–導く存在が(子育てママの母親や義母親)では如何でしょう?

北林:お母様やお義母様からの素晴らしい教え導きは当然ありますし、それは尊重すべきものと思います。アメリカで「Mommy knows a lot, but Grandma knows everything」という言葉に出逢い、感動したものです。

ただ、大きな年齢差による世代間ギャップや、文化の違いから起こる理解・共感不足、親子である故の近い距離感、関係の複雑さも時として不安材料になり得ます。そうなると客観性も含め、お母様やお義母様より若い、身内でない《お姉さん》的存在があると、素直に受け入れ、行動に移す事が容易になるような気がしますし、アドバイスを言う側も聞く側も適度に緊張感がある方がいい場合もあると思います。

—–子育て中の新人ママにとってマザーグースのようなサークルの存在はとても頼もしいと思います。お子さんの成長に合わせてで何かサークル内で変化はあるのですか?

北林:初期のマザーグースのメンバーのお子さんで昨年はお二人が、そして今年お一人が成人になりました。子どもの手が離れ、単身で参加できるようになったメンバーは、母、妻、女性として更に品性アップを目指す『ティファニー』という会に自動的にアップグレードしていきます。(笑)

お子さんばかりでなくお母様方の成長に合わせ段階的にモラロジーの学びにも着手し、食事会、文化芸術鑑賞、観光(お楽しみツアー)も含めて、夫婦や家族交流を行うのです。お付き合いは求めていただければずっと続きます。

—–マザーグース運営で今後の課題は?

必要不可欠な課題としてサークルの次世代リーダー、導き手の育成です。

《お姉さん》的存在がメンターとして相応しいのなら、新たに後輩ママ達が出てきたら次世代メンターも当然必要です。成長と共に豊富な子育て経験を活かして若い方達に指導する側に廻っていかねばなりません。

ただ、子育て経験を積んだ先輩ママ達は子どもの高校大学進学等、子育てに最もお金がかかる時期と重なり、パート勤務や高齢化したご両親のお世話などで忙しくなってしまい、なかなか時間が取れなくなっているのが現状です。あまり無理をさせたくない優しさ?から、今だに私がメインで動いていますが、いつかきっとバトンを受け継いでくれると信じて待っているのですよ・・・(笑)

それを受け継いだ時に、参加する側から運営する側の喜びや充実感を味わって頂ける事も!

—–そんな中でも時間を工面してお手伝いして下さる次世代リーダーたちへのフォローは?

本当にありがたいです。時間を工面してのボランティアは大変尊く、ご本人にとっても、役に立つ喜びを本当に味わえる意義深いものです。

それと不安な気持ちもあるでしょうが大丈夫!次世代メンターが登場することで先代メンターが居なくなる訳ではありません。孫、娘、おばあちゃんの関係のようにいつだって側に居ますし、お話も聴きます!ずっと見守り続けますので笑

—–最後に、今後の希望や願望はありますか?

かなり以前から、子育てサークルの全国的な展開とそれを受け入れるべく事務所での改革が急務と考えていました。

色々な地方、地域の事務所を訪れた折に、こういったお話をするのですが、なかなか発足が難しいようです。横浜事務所では、私が、このような子育てママをサポートする会を発足しようとした時に、代表やご先輩方々が、その趣旨をご理解下さり、運営方法や開催の全てを、こんな私に全面任せて下さり、陰ながら応援して下さいましたので、今日があります。その事は本当に感謝しています。そして、結果として、事務所活動に協力頂けるようになった次世代の方々を暖かく迎え入れて下さっているのも、嬉しく有難い事です。

私が常々次世代に発信するメッセージは、やはり、このモラロジーの価値観が基盤になっていて、私の今日までの人生の中でご縁を紡いだ多くの方々からの感化の賜物です。そういう流れを、新米ママやパパ達に継承していって頂きたいですし、その継承こそが、色々あっても、明るく前向きに過ごせるエネルギーの源であると信じています。若さというのは未熟さを伴うものですが、失敗したら改善し、やり直せばよい訳ですし、むしろ失敗からの学びと成長ありです。一方で、若さとは、溢れるエネルギーを蓄えていますから、このエネルギーを、ご自身、ご家庭、そして世の中の空気清浄化にもっともっと有効活用すべきです。

私としては、このように、子育てママの心をサポートするサークルリーダー、メンターさんが全国的に増えて、親も子も、リーダーもメンターもお互いに育ち合える場とご縁が沢山拡がることが喜びであり願いです。その為にも、各事務所の代表様、ご先輩皆様の次世代へのご理解と応援を期待しています。〈了〉