5月11日 戦国時代より「宣教師が見た日本」

16世紀、日本にやってきたキリスト教の宣教師たちは、極東の島に思いがけず文明化した誇り高い民族を発見しておどろきました。何よりも下層の日本人でさえ、盗みがないことや読み書きができることに強い印象を受けました。神父ザビエルは、ゴア(インド)の教会へ送った書簡にこう書いてます。

「日本人は私が遭遇した国民の中では、もっとも傑出している。異教徒の中で日本人にまさるものはあるまいと考える。彼らは総体的に良い資質を有し、悪意がなく、交わってすこぶる感じがよい。」「日本人はたいてい貧乏である。しかし、武士たると平民たるとを問わず、貧乏を恥辱と思っている者は一人もいない」

布教長トルレスは、日本人の暮らしが自給自足していて豊かだと言います。「この国の豊かさはスペイン、フランス、イタリアをしのいでいる。キリスト教国にある一切のものがこの国にはある。彼らの長所を書いていけば、紙とインクのほうが先に尽きてしまうであろう。」

ザビエルが日本に来たのは1549年、日本は戦国時代の真っ最中です。それなのにこの書簡はどうでしょう。戦国時代は残酷だった、荒れ果てた無法者の時代だったと、ずっと教わってきたように思いますが、実は庶民にとっては以外と秩序のある豊かな時代だったのかもしれません。

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