この度の台風19号は、事前情報があったものの、想定外の地域で甚大な被害となり、自然の力には抗えない人間の無力を感じさせられました。犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、被災された方々にも心からお見舞い申し上げます。

また、被災地での難航する復旧作業にご苦労されている自衛隊や消防隊の皆様にも頭が下がります。加えて、何とか力になればと思うボランティアの応援は、家屋や会社や今迄築いてこられた大切な物を一夜にして失われた喪失感と前途多難の思いで一杯の方々に、僅かなりとも希望の灯りや勇気を与えている事が伝わります。

毎月開催する子育てサークルのママのお一人も、前回の台風で被害を受けた千葉県に、ご主人と共に炊き出しボランティアに参加されたそうです。このママ=Aさんからは、以前よりご主人の事での悩み相談を受けていました。

生真面目なAさんだけに、ご主人のある習癖を許すことができずに、ご主人とは会話も共に過ごす時間も減り、ご主人のマイナス面だけしか目や耳に入らない状況が続き、食欲も落ち、しばらく寝込んでしまう程でした。

私は、彼女のお気持ちを察し、受容しながらも、「夫婦は、話し合い、ぶつかり合い、理解し合い、諦めもしながら、時間をかけて本当の夫婦になっていくものよ。まずは貴女の思いを冷静に話してみたら?」などと、ちょっと偉そうに伝え、あとは、お二人のコミニュケーションとお互いの愛の回復力?を待つ事に……。

ところが、その後の台風で被害を受けた千葉にお仕事拠点を持つご主人が、寝る間も惜しんで炊き出しや応援に出かけるようになり、Aさんも、1人娘(3歳)をご両親に預けてのサポート態勢に入ったのです。

道中、久しぶりに二人で話す時間。それは二人の事ではなく、被災地で自分達の役立つ事、食材や準備の為の買い出し、被災者の方々への心配り、、、などなど。その時は、さすがに日頃の恨み辛みを忘れ、夫婦で必死に協力し、同じ方向を向いて頑張ったそうです。

そして、そういう時間を過ごす中で、Aさんは、ご主人のボランティア精神の素晴らしさに気づき、見直す事しきりだったとか、、、(ご馳走様デス!)。

「今迄は二人の事だけに向き合う度にイライラばかりでしたが、台風以降は、人様の為の話題が増え、お互いの協力や労いが増えたので、体力は消耗しましたが、精神的には充実していました!」と結果的にお二人の関係もより良い関係になりつつある報告を受け、何とも嬉しく頼もしく思い、利他や奉仕というボランティアから得られるものは大きい!と再確認した次第です。(Hitomi)