厚手のコートやダウンのお出番も終了に近づき、身も心も軽くなり、春はすぐそこまで、、、ですね。新年度にあたり、お子様方のご卒業、ご入学やご進級、おめでとうございます。

子どもの成長は、親にとって何とも嬉しく希望を与えてくれるものですね!新たなご生活が、楽しく希望に満ちたものとなりますよう!お祈り申し上げます。

元NHKアナウンサーの山川静夫さんは、子どもの頃、常々お母様から、「徳」という事について話をされたそうです。

「いいかね、人間の一生には前半と後半があって、前半の運命は親の徳によって決まるらしいよ。つまり、私達、親が良い行ないをして徳を積めば、お前たちは幸せな前半を送ることができるわけだ。しかし、後半までは親の徳も及ばない。人生の後半は、お前たち本人一人ひとりが、いかに徳を積むかにかかっているんだよ。お前たちが徳を積めば、自分が幸せになるだけでなく、次の世代の子供の前半もよくなるのさ。」と。

つまり、自分の人生の後半は、もはや親も面倒をみてくれない、自力あるのみである。

人生を全うするためにも、また、後を継ぐ子供たちの前半の幸せのためにも!人目のつかないところで徳を積むことが必要なのだ・・・と子どもたちにしっかり教えてくれていた訳です。今ある幸せは、自分の努力の結果ではありますが、今ある幸せの原因には、ご先祖様や両親の尽力にも助けられ、護られているのだろうな、、、という事を確かに!つくづく私も感じる時があります。

よく、思わぬラッキーな出来事を「棚ボタ」(棚からボタ餅)と言いますが、あれは、誰かが棚やボタ餅を用意してくれたのが、たまたま落ちてきた!と考えるべき…とも聞いた事があります。「徳」とは、人間力を向上させるために習得するべきもので、正しい行ないを積み、人様に愛や喜びを与え、奉仕や社会貢献を通して自らの品格を高めることと言えましょう。今どき、このような話を子どもに伝えられる親は、どれ程いるでしょうか???「得する」情報、「楽する」情報、「受験する」情報は沢山伝えられても、「徳」を積むことの大切さが、なかなか伝えられずにいるような気がいたします。

今月のサークルでこの話題を提供しましたら、すぐに皆様から感想が届きました。特に本気度を感じたAさんの感想をご紹介いたします。

時は、奇しくも!あの誰もが絶賛するスーパースター大谷選手のサプライズ結婚が発表された翌日。。。「昨日、帰宅時に大谷選手の結婚がニュースで流れてました。街頭のインタビューで、『どれだけ徳を積んだら、結婚できるの〜?!?!』という女性のコメントを聞いて笑ってしまいました。(お相手の女性には)きっと相当の「徳」があるのでしょう!

これからの人生で善行に勤しんでいかれたらよいのですが、善行も相手の受け取り方によっては違うものになってしまう。。。難しいです。まず、考えること。そして(相手を)尊重する気持ちを持っていこうと思いました。きっと、人だけじゃない、物や他のものにも目を向ければ、地球にも優しくなれるかもしれません。大きな事はできないけれど、粛々と相手の事を考え、尊重し、徳を積み重ねていきたいと思います。

もし、「徳」を代々積み重ねられたなら、いつか私の子孫が大谷選手のようなスーパースターと結婚してしまうかもしれません!(笑)本当にいつもありがとうございます!」

ついつい、私などは今だに「徳」を積むより「得する」「楽する」を求めてしまいがちですが、自分だけの人生を謳歌するだけでなく、子や孫世代に遺す「徳」というものもしっかり視野に入れる事の大切さを思いました。

皆様と共々に、今ある幸せの背景に感謝し、親自らが、楽しみながら「徳」を積み重ねる習慣を身につけ、子ども達にも、その喜びや素晴らしさを伝えていきたいものですね!(Hitomi)