…月に一度、事務所代表から皆様に「気付き」をお届けします。
先日半日の研修に、先輩や仲間たちと静岡まで出かけて参りました。その行き帰りに、私にしては珍しくずっと会話を続けておりました。昔親しかった仲間たちの様子を聞いたり心配したり、大先輩の思い出話で笑ったり、最近亡くなった先輩のご遺族を気遣ったり、みんな幸せに生きてくれるといいねと願ったり。
そういった他者を気遣う仲間たちとの会話はいつも心地よく、別れた後もほのぼのとした余韻が残ります。
ふと、明治の始め米国から来日した大学教授のエドワード・モース氏の手記を思い出しました。
簡素な旅館の一室を住まいにしていたが、カギも金庫もなく女中たちがしょっちゅう出入りするので、物や金銭が無くならないかと心配いていたが、そんなことは一度も無かった。出張で一週間ほど留守にしてもただ盆の上に置かれただけの小銭も全く手を付けられてなかった。
祭の日だというので娘たちにお小遣いをあげたら恐縮しつつもとても喜んでいた。その娘たちの後をつけていくと、境内の端にいたゴザに座っためしいた(盲目の)女性の前ですっと小銭を置き、境内に歩いて行った。正直者の国にいると本当に気分がいい。
…たしかそんな内容でした。明治の日本人たちにはとてもかないませんが、私たちはこんな善き人との輪を広げながら、この日本に貢献してきたいと考えています。
2021年 4月6日 艫居大輔