夏野菜の代表選手であるキュウリは、フレッシュな生で食するのが一番!

それに飽きたら叩きキュウリ、塩もみ、お漬物、、、となりますが、長年、我が家で欠かさず食卓に現れるのが自家製ぬか漬けです。子育てで忙しい頃は、時短&自家製ファーストフードの作成に励んでいた私ですが、40代前後になると、買い求めたぬか漬けの味にどうも納得がいかなくなりました。

いえ、それなりにどれも美味しいのですよ。でも、私が子供の頃から馴染んできた我が家のぬか漬けの味とは、やはり違う。

ご飯の友に、暑〜い夏の冷えたビールの友として、何だか急に、おばぁちゃんから母に継承されたあの懐かしいぬか漬けがどうしても食べたくなりました。…と思ったら、これは自分で作るしかない!

早速、母に「ぬか漬けの作り方を教えて〜」と尋ねた訳です。その頃、母は認知症の症状が現れていましたので、得意の料理はもちろん、ぬか漬けなども創作不能に陥っていました。「ぬか漬け?ああそれは、お味噌を混ぜればいいのよ!」という回答に、「ありがとう!」と言ったものの、内心「そうじゃないでしょ、、、」(笑)そして「親が元気なうちに色々教わっておくものだ、、、」と、ため息。

夫の実家は信州なので、お漬物といえば野沢菜か瓜の粕漬けが伝統で、義母からはぬか漬け情報は得られず、、、となり、結局、自分で色々調べてぬか床を自分なりに作成し、ようやくぬか漬けらしき?ものが食卓に登場〜!となりました。

どんな食べ物も美味しいものには手がかかるのですが、“ぬか漬けは生き物”と言われるごとく、毎日のぬか床かき回しをサボると途端にそれなりの結果が出るもの。最初はぬか床をダメにしたり、やり直したり、、、の試行錯誤の末、容器も陶器の瓶が一番と判り、ようやく我が家の伝統の味に近づいてきたプロセスがあります。自由人の私が、よくもこんな几帳面な作業に挑戦し続けていると我ながら感心しているのですが、この自家製を食べたら、これを食べ続けたいが為!誰かに食べさせてあげたいが為!の単なる自己満足のなせる技…。

子育てサークルの開催当初、ランチはお手製の差し入れをしていましたが、この自家製ぬか漬けにも応援参加して貰いました。ささやかな差し入れのお惣菜の仕込みにはもちろん、ぬか漬けを漬け込む時にも、みんなが美味しくて幸せで和やかな時を過ごせますように…!と愛を注入して仕込みます。

先日、ティファニー(サークル)で久しぶりに再会したTさんは、最近お仕事で忙しくされているのですが、「北林さん、私、ぬか漬けを始めたんですヨ〜!」という想定外の近況に、「え〜?!貴女、そんな事なさるのぉ〜???」と思わず耳を疑いつつも、とてつもない嬉しさが込み上げたものでした。

やっぱり、『料理は愛』忙しくとも、どこかに少しでも愛を注入するのが大事!と信じる私は、「偉〜い!ご家族も喜ぶでしょう?」と言ったら、「いえ、自分が食べたくて〜!」と。やっぱり、『自己満足&自分への愛』もしっかり私から伝播していたみたい。。。(笑) (Hitomi)