残暑お見舞い申し上げます。
ずうっと長引く酷暑の中、所用の為、夫の実家のある信州の松本、安曇野方面へと度々往復しました。
安曇野と言えども日中の暑さは厳しかったものの、水道から出る水は冷たく、朝夕は気温も下がり、いくらか涼しい心地よい微風に吹かれて冷房要らずで過ごせるひと時には、ただただ感謝あるのみ!でした。
今回、度々の信州往復で、北アルプスの山脈や田園、日本の原風景の美しさを堪能させて貰いながらふと思い出したのが、C.W.ニコル氏のこと。。。
ニコル氏は、2020年に亡くなるまで、約40年にわたり日本の森林保全活動をリードしてきた英国ウエールズ生まれの日本人。日本がバブル景気の真っ只中、公共工事、リゾート開発の連続で豊かな自然が次々と破壊されていく中で、当時の日本全国を周って自然保護の大切さを説いていました。一方で、自宅を設けた長野・黒姫の荒れ果てた森を私財を投げ打って買い取り、少しずつ再生。故郷のウエールズにちなんで名付けられた「アファンの森」は現在では多様な生物が息づく森として蘇りました。
昔は、森の木を薪にしたり、キノコを栽培したり、山菜を摘んだりと、自然と人が共生することで上手くいく里山というエコシステムがあったのです。この素晴らしい里山システムを持続させる為にも、現代にアップデートされた森林療法やアロマセラピー、環境教育などにも取り組んでいました。
このC.W.ニコル氏にご縁を頂いたのは、今から20年程前のこと。。。横浜モラロジー事務所開催の文化講演会でご講演頂きました。日本の里山の素晴らしさとその維持継続の重要性を穏やかに愛を込めて語るニコル氏から、自然との共生への熱い思いと地道な活動に心打たれ、日本人より日本の未来を思う真剣な眼差しが印象的でした。
開催企画に関わっていた私は、講演依頼と打ち合わせの為、事前に東京のニコル氏の事務所を訪れました。その折、モラロジー財団の職員として同行下さったYさんとも新たなご縁を頂き、当時は子育てママの会「マザーグース」を発足したばかりでしたので、Yさんを通じて奥様を「マザーグース」にお誘いしたところ、ご参加下さるようになり、、、その後、更なる親睦を深めてきました。
今では、事務所活動はもちろん、このHP編集にも必須な存在のHさんです。思えばこの繋がりも、ニコル氏の遺してくれた不思議なご縁かもしれません。。。
「彼が大切に考えていたことは、子供たちのことをすごく心配していて、『森だけ育てて、人を育てなければ意味がない』『子供にとって森を遠い存在にしてはいけない』『子供たちの心に木を植える』という環境教育の重要性をいつも説いていました。」とは、ニコル氏亡き後のマネージャーさんのお言葉。
講演内容に大いに共感、感動したものの、その後は、「アファンの森」を訪れることもできないまま20年が過ぎてしまった事を深く後悔、反省しつつ、「今からでも何か少しでも動き出そう!」と強く心に思った次第です。
次回のイベントは、ニコル氏を偲び、その思いを引き継ぐ『アファンの森ツアー』かな…?皆様も是非ご一緒に〜こうご期待!(Hitomi)